news:夫婦別姓訴訟、一審

去る5月29日、いわゆる夫婦別姓訴訟について東京地裁の判断がありました。

結果は
「夫婦がそれぞれ婚姻前の姓を名乗る権利が憲法上保障されているとはいえない」として、
原告側の請求を棄却。
夫婦別姓を導入しない立法の責任を問い、賠償を請求した訴訟の判決は初めてで
「夫婦は夫か妻の姓を名乗る」と定める民法750条の規定が
憲法に違反するかを問う裁判でした。
東京地裁では「氏名は人格権の一部を構成する」としつつも、
個人の尊重を定めた憲法13条が保障された権利に含まれることが「明らかとはいえない」
と指摘。
両性の平等を定めた憲法24条についても
「夫婦が別姓を名乗る権利を保障したものということはできない」との判断です。
原告側は「規定が設けられた昭和22年当時は明白に違憲でなかったとしても、
家族、結婚生活の意識や実態が変化し、夫婦同姓を強制する根拠が失われた」
と訴えましたが、一審では退けられる結果となりました。

==憲法==
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、
立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を
有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び
家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と
両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
=====

「法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と
定められている一方、
婚姻時、96%のカップルが夫の姓を名乗っているのが現状です。
もちろん、氏を変える事に抵抗の無い女性もいるでしょうが、
96%全てがそうだったとは思えません。

一審の結果はやはり残念ですね。
原告側は損害賠償を請求していますが、おそらく金銭が欲しかったわけではありません。
損害賠償請求をするしか、(制度上)裁判の方法が無かったんでしょう。
もし、損害賠償が1円でも認められ、確定すれば国も法改正せざるを得なくなるので、
それが目的だったのだと思います。

一つ前の投稿にも書きましたが、
この判決にからんでテレビ朝日からインタビュー取材が入りました。
夜10時の放送で当日の夕方4時半頃に電話がかかってきて、今から取材したいとの事。
突然のことにけっこう驚きました。
もうちょっと早く言ってくれれば散髪ぐらいしたのにな。。。。。。

インタビューでは時間も限られていたので伝え切れなかったと思いますが、
私たち夫婦(水口と橘)では夫婦別姓が認められていなくても、
ほとんど困ることはありません。
それぞれの回避手段をとっていけば、おおよそのことは解決できるものです。

但し、夫婦別姓を望む全ての方がそのような回避手段を取るとは限りません。
事実婚を実践していらっしゃる多くの方が、
いざ問題に直面してから困ってしまうのが現状でしょう。
そのような理由から、法改正が早く実現すれば良いのになぁと思うのです。

(水口)