news:遺産相続分、婚外子も平等に民法が改正

12月5日、改正民法が参議院を通過し、
嫡出子も非嫡出子も法定相続分が同じになりました。

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結婚していない両親の子ども、いわゆる「婚外子」の法定相続分を、
結婚している両親の子ども「嫡出子」と同等にする改正民法が、
5日未明、参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。

結婚していない両親の子どもいわゆる「婚外子」は、
結婚している両親の子ども「嫡出子」の半分しか法定相続分が無いと規定していた
民法の規定について、
最高裁判所はことし9月、「法の下の平等を定めた憲法に違反する」という
初めての判断を示しました。

これを受けて、政府はこの規定を削除し、
「婚外子」の遺産相続を「嫡出子」と同等にする民法の改正案を国会に提出し、
参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。
改正民法は近く施行され、
最高裁判所の違憲判断が出た翌日のことし9月5日以降の相続に
さかのぼって適用されます。
民法の改正を巡っては、自民党内に、「伝統的な家族制度を崩壊させる」などの
慎重な意見がありましたが、改正民法が成立したことで、
「婚外子」と「嫡出子」の相続の格差が解消されることになりました。

一方、参議院本会議では、政府が提出を見送り、
民主党、みんなの党、共産党、社民党などが提出した、
出生届に嫡出子かどうかの記載を義務づけた規定を
削除する戸籍法の改正案の採決も行われ、
賛成117票、反対118票の1票差で否決されました。

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9月の最高裁判断については、自民党の一部議員から異論が噴出し、
改正論議の中では「めかけさんの子」や「不貞の子」などと不見識極まりない
発言もあったようです。

日本は三権分立が大前提であり、
個々の法律が違憲であるかどうかを裁判所が判断する権限は
憲法によって認められています。
しかし、裁判所判断について、国会が文句を言う権限は認められていません。
もちろん政府も文句を言う事は出来ません。

政府が裁判所に対して認められているのは、
最高裁判所長官の指名と裁判官の任命。
国会が裁判所に対して認められているのは、弾劾裁判のみ。
小学校の社会科の授業で教わることです。
国会議員が最高裁判断にあれこれ異論を言う事は越権行為です。

嫡出・非嫡出を区別する必要がなくなったにもかかわらず、
出生届に嫡出・非嫡出の記載義務が残った事は
単に一部国会議員の嫌がらせとしか思えません。

ともかく私は一歩前進と受け止める事にします。

(水口)