夫婦別姓の老後

夫婦別姓と言えど、やはり年を重ねるはずです。
老後の心配といえば、年金。

年金については別ページで触れる予定ですので、
年金も含めての財産管理についてご説明しようと思います。

このサイトの趣旨(万一の事態に備えよう!)から、
不吉なことばかりを書いている気がしますが、
自身が認知症になってしまった場合のことをお話しします。

実際にあることなのですが、ご老人が認知症にかかってしまった場合。

充分な年金をもらっているにもかかわらず(或いは充分な蓄えがある)、
その銀行口座から、公共料金の引き落としをしている
口座にお金の移し変えが出来ない。
その結果、料金が引き落とされず電気や、ガスを止められてしまうことがあります。

当人は認知症にかかってしまっているので、お金の判断ができません。
突然、電気が止まってしまい、どうしてよいかも分からず、当方に暮れてしまう、、、、。

或いは老人ホームに入居して、費用の引き落とし銀行口座を決めれば、
ホームで安心して生活できる。
でも、その手続きが出来ない。

現金を作るために不動産を売らなければいけない。などなど。

通常このような場合は配偶者(夫・妻)や子供、孫が手続きを行いますよね?

でも本来、あなたの財産管理は本人しか出来ないものなのです。

しかし、本人の状況が難しい場合には、銀行や老人ホーム、役所も
身内が手続きを行うことに目をつぶってくれることでしょう。
(法律上の)配偶者か肉親がいればきっと何とかなります。

では夫婦別姓の夫婦の場合は?
そう、内縁関係の場合はどうでしょうか?

夫婦別姓の夫婦に子供が居て、成人に達しているならば、
その子供が財産管理を出来てしまうかもしれません。

子供が居なかったら?子供が大人になる前に、若年性痴呆症に
かかったら??
内縁の配偶者は手続を出来るでしょうか?

ビミョーです。出来てしまうかもしれませんし、
出来ないかもしれません。A銀行がOKでB銀行は
ダメかもしれません。そこで登場するのが「成年後見制度」です。

成年後見制度

本人が財産管理できず、他に管理してくれる人を必要とする場合に、
後見人を選任し、後見人が本人に代わって財産の管理を行う制度です。

財産管理人を立てるといえばイメージしやすいかもしれません。
裁判所が関与しますので、銀行が口座の手続きなどを拒否することは出来ず、
財産の管理がスムーズに行えるでしょう。

成年後見制度には選任の方法によって、任意後見と
法定後見の2種類があります。

本人が事前に後見人になって欲しい人を選んでおくのが、任意後見。
特に選んでいなかった場合に、それでも財産管理人が必要となり、
(事後的に)裁判所に選んでもらうのが法定後見です。

法定後見でも問題がないように見えますが、
法定後見ではいざ裁判所に後見の開始を申し立てるときに、
内縁の配偶者は申立人になれません。

4親等以内の親族等に申立をお願いする必要があります。
内縁の配偶者が後見人に選ばれる可能性はありますが、
そのスタートボタンが押せないわけです。

任意後見では、内縁関係であっても後見人予定者として
裁判所に手続きを行うことが出来ます。
但し、任意後見は事前に公正証書を作成しておかなくてはなりません。

夫婦別姓の夫婦が互いを将来の財産管理人(後見人)に
したい場合は、公正証書で任意後見契約を締結しておきましょう。

(水口)

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