はじめに

このところ耳にするようになった「夫婦別姓」ってナンでしょうか?
本当は「夫婦別氏」が正しいのでしょうが、
新聞などでも「夫婦別姓」とされています。

漢字表記はともかく、読んでその通り、
結婚している夫婦が同一の姓(氏・苗字・名字)を名乗らず、
それぞれの姓を名乗ることです。

簡単に聞こえますが、実現することはナカナカにムズカシイのです。

では、結婚とは何でしょうか?
「愛が云々」とか「経済的にも精神的にも互いに助け合って云々」とか
ややこしい話ではなく、
これさえ整えば「押しも押されぬ夫婦」となるには?

その答えは「婚姻届」(正式には婚姻届出書)を提出し
且つ受理されていることです。

「あたりまえじゃん!」って?

でもこの婚姻届が夫婦別姓にとってはクセモノです。
戸籍法に規定されている手続きの1つなのですが、
婚姻届を出すには必ず両名が
どちらか一方の姓を名乗らなくてはならないのです。

つまり、夫婦別姓のままでは結婚できない!

結婚できないとどうなるか?

他人がどう言おうと夫婦として暮らせばいいじゃないか??

夫婦別姓の現状

夫婦別姓を目指す先達は、

(1)事実婚タイプ

婚姻届は出さずに一緒に暮らすという手段をとっている場合。
別の見方をすれば、内縁関係、長期の同棲とも言えます。

しかし夫婦、配偶者、婚姻といった単語は
法律・条文の中で非常に基本的な言葉。

法的に結婚していることを前提に、権利や義務、様々なことが
決められているのです。
結婚していない場合に起こりえる問題を挙げると、、、、、

■相続はどうなる?パートナーは相続人になるのか?
■子の身分は?子供の親権は?氏は?
■相手が勝手に他の人と結婚してしまうかも?(法律上は独身なので)
■厚生年金などで被扶養者扱いになる?
■生命保険の保険金受取人になれる?
■ド○モのファ○割MAXが適用されるのか微妙?
他にも数え上げればキリがありません。

もちろん遺言や認知など回避が可能なものもあります。
しかし、事前に回避手段をとらなければ解決出来ないことも多々。

でも、「これって、後々問題になるかも?」とすべからく気付くでしょうか?
問題が表面化してからあわてても、もう遅いかもしれません。

そこで、

(2)一時的に結婚届タイプ

必要なとき一瞬だけ婚姻届を出して、
再度(手続き上)離婚するという方もいらっしゃるようです。
「単に同棲」の別バージョンとも言えます。

そもそもこの方法は、子供が嫡出子としての身分を得るために
編み出された(?)方法です。
嫡出子と非嫡出子の法定相続分が既に同じになっています。

生命保険の受取人をパートナーに指名するときに
一時的に入籍することは、あるかもしれません。

が、正直、(1)とほぼ同じで、ほとんどの問題は解決できません。

あまり、おすすめとは言えません。

また、

(3)通称タイプ(婚姻届は提出)

という人もいます。夫婦別姓では、実はこのパターンが一番多いのかもしれませんね。
でもこれでは、運転免許書、健康保険書、役所からの通知など
公の書類では一切、夫婦別姓は実現しません。
子供の姓も全員、夫婦どちらか一方のものとなってしまいます。

そもそも夫婦別姓はそれぞれのアイデンティティーが主な問題です。

「通称を使う」のでは姓を変えた側の自己喪失感や男女の現実的不平等感
(ほとんどの夫婦のうち女性が姓を変えているのが現状)
が解決されたとはいえないのではないでしょうか。

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私たち夫婦の答え

実は私と妻も夫婦別姓なのです。
結婚しようと決めたものの、お互いに悩みました。

妻はこれまで使ってきた姓(氏・苗字・名字)を
変えることに大きな抵抗を感じていました。

私は自身の姓を変えることなど考えたこともありませんでしたし、
やっぱり嫌です。

逆に自身が抵抗を感じることを、相手に強制することもやはり嫌でした。

夫婦別姓に前向きだった法務大臣が辞め、世の中は賛否両論。
夫婦別姓を認める法改正があったとしてもずいぶん先のことです。

実現を気長に待っていては、
互いにおじーちゃん、おばーちゃんになってしまう!
何とかせねば!!

幸い(?)私たちは行政書士でした。
行政書士とは、権利義務に関する書面(簡単に言うと契約書など)の作成と
役所での手続きを主に仕事にしている国家資格者のことです。

私たちの出した答えは、仕事を通じて得た知識・経験を踏まえて

婚姻届は出さない(各自の姓を維持)
公正証書・契約書作成、各種手続きを事前に行いトラブルを回避。
(言わばレアケースなので窓口の人が戸惑う場合があっても、
手続きを嫌がる相手がいても粘り強く交渉。

というものでした。上に書いた(1)+アルファですね。
法的には内縁関係、かっこ良く言うと事実婚です。

残念ながら、法律上の夫婦と100%同一レベルに達することは無理なのですが、
起こった問題、解決できた問題、解決できないデメリットを
カテゴリーに分けてご紹介したいと思います。

夫婦別姓にくじけたら。。。。

夫婦別姓(内縁)はいろいろと面倒です。
面倒くささをある意味楽しむぐらいの気持ちがないとできないかもしれません。

別ページで説明していますが、子供の手続きも面倒です。

解決できない問題がないわけではありません。

でも挑戦してみて途中で無理だと思えば、
あきらめて婚姻届を提出すれば、普通の夫婦になることが可能です。

但し、両名の同意が必要ですし、氏は同じになってしまいますが。
(水口)

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