news:「非嫡出子は相続半分」規定 最高裁、大法廷回付

「結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)について
遺産の相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、
法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた2件の家事審判の特別抗告審で、
最高裁第1小法廷27日、審理を大法廷長官)に回付した。
大法廷へは、違憲判断や判例変更を行う場合などに回付されるため、
最高裁が平成7年に規定を「合憲」とした判断が見直される可能性がある。

民法900条4号は「嫡出でない子の相続分は、
嫡出である子の相続分の2分の1とする」と定めている。
この規定について7年の大法廷決定は「民法は法律婚主義を採用しており、
非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とした規定が著しく不合理で、
立法の裁量判断の限界を超えているとはいえない」とした。

審理が回付されたのは、13年7月に死亡した東京都内の男性の遺産分割をめぐる審判と、
同年11月に死亡した和歌山県内の男性らの遺産分割をめぐる審判。
いずれのケースについても、家裁、高裁は規定を合憲と判断し、
平等な分配を求めた非嫡出子側が特別抗告していた。」

とのことです。
例えば父親が死んで、子供が二人いて、妻に先立たれていて、遺産が300万円ある場合。
普通であれば150万円ずつ相続するはずです。
しかし、一方が嫡出子で他方が非嫡出子(婚外子)ならば、
200万円と100万円になってしまうのです。

これは民法に既定されているのですが、不平等ではないか?と訴えを起こしているわけですね。

最高裁は平成7年に合憲であるとの判断を示しています。しかしその後、地裁、高裁では、
異なった判断が相次いでいます。
地裁、高裁の判断を見てみると
「そもそも、この民法の規定は”結婚している”にもかかわらず、他で子供を作ってしまった場合、
正当に結婚している相手方との間に産まれた子供の権利を優先して保護すべき
との考えから制定された。
しかし、誰とも”結婚していない”時に産まれた子供は、
他に保護されるべき対象・子供が居ないわけだから、
不利に扱われるのは適当とはいえない」
という考え方によるもののようです。

上にもありますが、違憲判断や判例変更は大法廷で行われます。
必ずしも、そのような判断があるとはいえませんが、ひょっとしたら、新たな判例が示され、
民法が改正されるかもしれませんね。

(水口)