再婚の相続と夫婦別姓

再婚と相続

法律上の再婚でも、事実婚(内縁)での再婚でも、相続は大きな問題です。

子供がいる同士のカップルならば、
検討しないといけない課題は
相続以外にも多岐に及ぶかもしれません。

熟年カップルの再婚について考えて見ましょう。

熟年カップルからのお問合せ

このサイトを作った時、
「結婚のことを書くのだから、
当然、20歳代、30歳代の方からのお問い合わせが多いだろう」
と思っていました。

ところが意外、
年配の方からのお問い合わせも結構多いのです。

こんなご事情があるようです、

  • 配偶者に先立たれた(或いは生涯未婚のつもりでいた)
  • お付き合いしている人がいる
  • お付き合いの相手も今回が再婚
  • いまさら結婚といってもなんとなく、気恥ずかしい
  • 結婚すると相続権が派生してしまい、子供が反対するのでは。。。
  • かといって、”なあなあ”の関係で、同棲するのも気が引ける
  • 子供は頼りにできないけど、これからの人生を寂しくすごしたくない

なるほど。確かにそういうことがあるかもしれません。

ネットで検索しても、熟年再婚、シニア婚活、中高年恋愛、
といった単語が数多くヒットします。
再婚者向けの結婚相談所、お見合いパーティーも
盛況のようです。

再婚者(熟年)カップルの夫婦別姓

夫婦別姓を希望される場合、
婚姻届出を出さず、
夫婦別姓契約書を作成する方法をご案内してきました。

婚姻届を出さないので法律婚ではありません。
いわゆる内縁関係です。
何もしなければ相続も発生しません。

しかし、契約書を用いる方法は
非常に柔軟性があります。
法律婚と違って全てオーダーメイドにできるのです。
(遺留分を除く)

たとえば相続の点においても、
法定相続では配偶者と子共、それぞれ2分の1ですが、
「パートナーは既にそれなりの財産を持っているし、
相続財産は必要ないだろう。
でも、さすがにゼロは可哀想だから、
4分の1をパートナーに、残り4分の3は子供にあげよう」
と決めることが可能です。

もちろん妻が2分の1でも8分の1でも、
好きなように決めることが可能です。

そのためには書面を作らなくてはなりません。

 

シニア世代の場合は、
法定相続人が誰になるか、相続財産に何があるか、
ある程度、具体的になっているはずで、
相続の内容も決めやすいでしょう。

また、祭祀(お墓やお仏壇)、介護をどうするか、
といったことを本人の希望に合わせて定められます。

公正証書で契約書を作成しておけば、
お二人が”いい加減な関係”だ、ということにもならないでしょう。

個々のご事情に合わせて、
婚姻契約、成年後見契約、遺言、など
必要なものを作成すれば後悔することはないと思います。

万一、書面(遺言)を作らずに、
パートナーが亡くなってしまったら

財産の状況次第ですが、一大事です。

法定相続人(パートナーの子、孫、両親、兄弟姉妹、甥姪)がいなければ、
特別縁故者としてての手続きを行う必要があります。

法定相続人がいる場合は、その方たちの協力が必要です。
協力が得られない場合は、相当困難なことになるでしょう。

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夫婦別姓の相続

 

法律婚でも再婚は相続が問題

あるいは夫婦同姓、つまり結婚届を提出して
法律上の夫婦になるとしても
相続財産のことは決めておくべきです。

通常、私が遺言をおすすめするのは

  • 60歳を超えて子供がいないケース
    (婚姻歴の有無は関係ありません)
  • 離婚(死別)したパートナーとの間に子供がいて、
    別のパートナーと再婚するケース
  • 婚外子がいるケース
  • 財産の大部分が不動産であるケース
  • 家業があり、子供や親族が家業にかかわっているケース

どれか”一つ”にでもあてはまる場合です。

シニア再婚の場合、どれかにあてはまるのではないでしょうか。

何も準備をしていないと、遺族が苦労します。

 

例えば、
ある男性が死別した妻との間に子供がいて、
別の女性と再婚した場合。

子供と再婚相手が法定相続人となります。

※赤印が相続人(後妻とも法律婚した場合)

子供がいない場合は、妻と男性の両親か兄弟が法定相続人になります。

※赤印が相続人(後妻とも法律婚した場合)

 

あまり好きな言葉ではありませんが、
この場合、再婚相手は「後妻」なとど呼ばれ、
先妻との間に産まれた子や夫の親族に
気兼ねして生活することも多いようです。

男性の財産が自宅しかない場合、
男性の死後、後妻は思い出の自宅に住み続けたいでしょうし、
子供からすれば生家を他人に取られたくはありません。

双方の言い分はもっともです。

男性が何も決めずに死んでしまったら、
先妻との子供と後妻がもめることは必至です。
絶対にもめます。確実です。

『私が死んでも、自宅は妻が死ぬまで住んでもよい。
但し、妻も死んだときには自宅は子供が好きにしてよい』

遺言の文言をどうするかはともかく、
こんな内容ならば両者ともに妥協できるのではないでしょうか?

 

私の経験では、
男性が認知症になった途端、
子供が後妻さんを家から追い出したことがあります。
後妻さんは男性の世話をしたいと嘆いておられました。

また、男性が亡くなった後、
わずか100万円の相続財産で、
遺族同士がつかみ合いの喧嘩になったこともあります。

ぜひとも遺言をご検討ください。

認知症になってからの遺言は無効です。

もちろん死んでから遺言を書くことはできません。

後回しにせず、
再婚を決めたその時に準備することが重要。

子供や親族にきちんと説明してから再婚した方が、
周りも理解してくれるはずです。

(水口)

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